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カスハラで全国初の“氏名公表”へ…問題点は 専用窓口を設置、住所も公表? 専門家「デジタルタトゥーとして残る懸念も」

悪質なカスタマーハラスメントを繰り返した場合、市が氏名を公表できる。そんな規定を盛り込んだ条例案が、三重・桑名市の議会に提出されました。成立すれば全国初です。住所を併せて公表する検討もしているといいます。専門家に問題点を聞きました。

■聞き取り、調査、警告…条例案の中身

藤井貴彦キャスター
「客が従業員に対して悪質なクレームを行うカスタマーハラスメント、いわゆる“カスハラ”について、三重・桑名市で4日、氏名を公表できる規定を盛り込んだ条例案が議会に提出されました。成立すれば全国で初めてということです」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「この条例案では、悪質なカスハラを繰り返した場合、市のホームページなどで氏名を公表するとしています。条例が成立したら、まずカスハラ専用窓口を設置し、事業者からの相談を受け付けるといいます」

「その後、特定ができればカスハラをしたとみられる人にも聞き取りを行い、弁護士などでつくる対策委員会でカスハラにあたるかどうかを調査するということです。そこでカスハラ認定された場合、まずは行為者に対して警告を行うといいます」

「その後も態度が変わらない場合には再度聞き取りを行い、対策委員会で検討の上、氏名を公表するということです」

■ネットの影響力大…懸念される点は

藤井キャスター
「氏名を公表する上で、例えば同姓同名の方がいた場合はどうするのでしょうか?」

小栗委員長
「市によると、その対策として住所も併せて公表することを検討しているということでした。ただプライバシーの問題もあるので、町名や番地などどこまで公表するのかは今後議論していくということです」

「ほかにも公表する期間や未成年者への対応などについても、まだ決まっていません。市議会の閉会日である12月25日までには内容を確定させるとしています。今回の条例案について、氏名公表制度に詳しい法政大学の天本哲史教授に聞きました」

「ほかの自治体でも条例違反による氏名公表の動きが増えているが、期限を決めて公表したとしても、ネットの影響力が強くなっている今の時代は、デジタルタトゥーとして残ってしまう懸念もあるため、慎重になるべきだと指摘しています」

「また、導入する場合には氏名を公表された人が削除を申し立てできるような窓口も設ける必要があると指摘しています」

藤井キャスター
「罰金などほかにも手段はあるのではないか、という方もいらっしゃると思います。氏名公表にした理由は何なのでしょうか?」

小栗委員長
「事業者らから、『実効性のあるカスハラ防止条例を制定してほしい』という声が上がっていて、行政指導の範囲でできるギリギリの措置として氏名公表にしたということです。条例案は12月25日に採決され、可決・成立すれば来年4月に施行されます」

■篠原ともえさん「慎重な

議論が必要」

藤井キャスター
「現場から、事業者からの声ということです。それだけ切実だということはわかります」

篠原ともえさん(デザイナー/アーティスト『news zero』水曜パートナー)
「いいなと思ったのは相談窓口の設置です。一番困っているのはそこで働いている方たちなので、その動きが全国に広がったらいいなとは感じました」

「ただ一方で、名前も住所も公表するとなると、カスハラをした人の周囲への嫌がらせなどにもつながってしまわないか、ヒヤッとします。慎重な議論が必要だなと感じました」

 

引用元(動画あり)

news.ntv.co.jp